CD (Compact Disc) は元々音声データをデジタルで記録する用途で開発され、その後一般的なデジタルデータを記録するためにその仕様を拡張されてきた。このためセクターフォーマットは複数存在し、セクターを構成する最小単位としてフレームが存在という構造を持つ。そのためその最初の仕様である CD-Audio の構造を理解することが重要となる。CD-Audio ではセクターは付属情報を持たず、全てユーザーデータに割り当てられている。これはまるでエラー訂正がされないかのように見えるが、前述したとおり、CD にはセクターを更に分割したフレームが存在し、このレベルでエラー訂正が実装されている。フレームは最も低レベルな構造を持ち、EFM 変調後 (ディスク面にデータを記録する際に必要となる処理。EFM 変調では 8 bit のデータは 14 bit に変換される) のデータで構成される。

Sync は同期情報であり、`100000000001000000000010' の固定値である。次の Sub-Channel はディスク制御などに使用される。Data にはユーザーデータが記録され、Parity はそのエラー訂正 (CIRC と呼ばれる) に使用される。各情報の間には Margin bits (余白ビット) が挿入され、0 と 1 の値の配置が均等になるように調整し、000/001/010/100 のいずれかの値を採る。このうち Sub-Channel、Data、Parity は EFM 変調後のデータであり、実際には復調され利用される。そして CD ではこのフレームを最小単位として、98 フレームで 1 セクター が構成される。
CD-Audio では、セクターは全てユーザーデータとして使用され、音声データは秒間 75 セクターで記録される。そのエラー訂正はフレームレベルに依存し、2 枚の CD に 1 byte 程度のエラー発生頻度に抑えている。しかしコンピューターで使用するデータの記録で考えた場合、そのエラー訂正能力では不足であり、更に強力なエラー訂正能力が必要とされる。そこで後に一般的なデジタルデータを扱えるように拡張された CD-ROM (CD-Read Only Memory) では、CD-Audio で全てユーザーデータに割り当てていたセクターに、様々な付加情報を追加しセクターフォーマットを規定した。

CD-ROM のセクターフォーマットには基本的に 2 つのフォーマットがある。Mode 1 と呼ばれる最も一般的なこのフォーマットでは、Sync に同期情報を持ち Header にはセクターアドレスと Mode の情報がある。これらにより高速なランダムアクセスを可能にする。また EDC はエラー検出に、ECC はエラー訂正に使用される。これらのセクターレベルでのエラー訂正を実装することによって、2000 枚の CD に 1 byte 程度のエラー発生頻度に抑え、CD-Audio のエラー訂正能力の不足を補う。Mode 2 は Mode 1 の EDC、ECC を省略し Data に割り当てており、音楽/画像データなどエラーが致命的にならないデータの記録を想定したフォーマットである。この Mode 2 の拡張として CD-ROM XA (CD-ROM Extended Architecture) が存在する。Mode 1 と Mode 2 は混在することが出来ないため、一般的なデータと音楽/画像データを含むようなマルチメディアデータを記録するためには不都合がある。そこで CD-ROM XA では、Mode 2 を拡張する形でエラー訂正機能を付加した Form 1 と、それと対になりエラー訂正機能を省略した Form 2 を規定した (Form 1、Form 2 共に付加された Sub-Header には、 CD-ROM XA 独自の情報を持たせた)。更にこれら新しいセクターフォーマットの規定と共にマルチセッションを可能とした (結果的に Mode 2 だけを使用して一般的なデータと音楽データ/画像データを記録する形となる)。このように CD-ROM には複数のセクターフォーマットが存在する。現在、多くを占める一般的な CD-ROM は Mode 1 で記録されており、マルチセッションを持つ CD-ROM は CD-ROM XA で記録されている。