仕様が統一されていない RSS

初稿: 2005-08-08

RSS って何?

RSS とは Web コンテンツのメタデータ (例えばコンテンツの著者や作成日付など)、更にはコンテンツ自体を配信するための XML をベースとするフォーマットです。これを RSS リーダーと呼ばれるソフトウェアで受信することにより、最新の情報を効率よく閲覧できるというものです。RSS リーダーは Web ブラウザなどに搭載されているので、特別に専用のソフトウェアを用意しなければいけないということは少ないでしょう。筆者は Web ブラウザである Firefox をお勧めしています。Internet Explorer は標準のままでは RSS リーダーの機能を備えていません。すでに利用されている方もいると思いますが、RSS は情報サイトやブログなどでよく配信されています。

RSS 1.0 と RSS 2.0 は別物?

本来なら前節で「RSS」の省略しない名称も記したいところですが、ここで一つ問題があります。 実は「RSS」は統一された仕様ではなく、複数存在しているのです。そのため、名称もそれぞれによって異なり、実にややこしい状況となっています。RSS には大きく分けて RSS 0.9x/2.0 系統と RSS 1.0 系統が存在します。普通に考えると 1.0 の後継が 2.0 と考えるのではないでしょうか。しかし、RSS では 1.0 と 2.0 は別のものです。

混乱するその仕様

RSS が最初に登場したのは RSS 0.90 (RDF Site Summary) という仕様でした。これは RDF/XML (リソースの情報を XML で表現するための枠組み) に準拠した仕様で Netscape 社が発表しました。ただこれはあまり普及しなかったようで、Netscape 社は RSS から手を引きます。本格的に普及しだしたのは Dave Winer という人物が中心となり策定された RSS 0.91 (Rich Site Summary) という仕様からでした。これは RSS 0.90 をベースに、その記法を簡略化するために RDF/XML ではなく、独立した XML として再定義されたのが特徴です。これはその後、後継として 0.92、0.93、0.94 (よく 0.9x と称されます) が登場しています。この時期、この流れとは別に RSS を改めて整備し直そうという動きが起こり、RSS-DEV Working Group という組織が RSS 1.0 (RDF Site Summary) を発表しました。この仕様は RSS を再度、RDF/XML に準拠する形で定義しており、0.9x に比べ複雑にはなりましたが、高い拡張性を備える仕様です。これに対抗する形で、0.9x 陣営では、0.9x の後継となる RSS 2.0 (Really Simple Syndication) を発表しました。これは 0.9x の後継として (RDF をベースとしない) 独立した XML であり、RSS 1.0 と比べ、簡単な文法を実現しています。

RSS 概要

図: RSS 概要
XML は基本的な文法を定義し、RDF は一般的なリソース情報の表現方法を定義します。そして RSS は Web コンテンツ情報の意味を定義します。RSS 2.0 は一般的なリソース情報の表現方法に従っていません。

結局どの仕様を採用すればいいのでしょうか?

さてここで問題になるのは、私たちがこれからどの仕様を採用していくのがベストなのかということです。実は利用するユーザー側としてはこれらの混乱は大きな問題とはなりません。ほとんどの RSS リーダーでは RSS 0.9x/2.0、RSS 1.0 と全てに対応しているからです。つまりユーザーは意識することなくサービスを利用できるということです。では開発者側はどれを選択すればよいのでしょうか。RSS は現在、海外では RSS 0.9x/2.0 系列、国内では RSS 1.0 系列が普及しているようです。しかし実はこの RSS の混乱を打破すべく現在策定されている仕様として Atom が存在します。Atom はインターネット技術の標準文書である RFC となることを目標に策定されており、現在草案段階です。まだ試験的な運用ではありますが、対応するソフトウェアも増えてきています (Firefox も対応しています)。筆者の個人的見解ではこの Atom が最終的には普及するのではないかと考えています。


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