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セクターとサーボ情報

初版: 2005-03-26

セクターフォーマット

IBM PC 互換 のコンピューターでは、ハードディスクのセクターは 512 byte に固定されている。セクターはコンピューター上でデータを扱う最小の単位であり、コンピューターがハードディスク外部からデータを操作する際、これより低レベルでの情報を扱う必要はない。しかしハードディスク内部ではこのセクターをより正確に操作するために、セクターに様々な情報を持っている。ハードディスクは他のリムーバブル媒体とは違い、ハードディスク制御装置内で完結しているため、そのセクターフォーマットは決められた構造は持たない。そこで図 1 では典型的なハードディスクのセクターフォーマットをモデルとしている。

セクターフォーマット
図 1: セクターフォーマット

セクターは大きく分けて ID と Data の 2 つの部分から構成されている。ID はアドレス番号などセクターに関する情報を格納し、Data はユーザーデータ本体を格納する。セクターとセクターの間にはそれらを区切るための Gap が存在し、これはまた制御装置にデータを処理するための時間を提供する。また ID と Data はそれぞれ更に細かい部分から構成される。まず ID から見ていくと、Sync は制御装置への同期情報を提供する。LBN (Logical Block Number) はセクターのアドレス番号であり、ホストコンピューターはこの番号を制御装置に送ることによってセクターを指定する。Flags には複数の情報を持つが、代表的なものにセクターの欠陥を示す情報やそのための再配置の情報がある。そして CRC により ID のエラー検出が行われる。一方 Data には ID と同じ様に Sync があり、そしてユーザーデータ本体がある。また ECC によりデータのエラー訂正が行われる。このようにセクターに対し確実にデータを読み書きするために、ハードディスク内部では多くの情報が扱われている。

サーボ情報

サーボ (Servo) とは機械が位置や速度を自動制御することをいうが、ディスクを読み書きするヘッドを正確に制御しなければならないハードディスクでも勿論、この制御は行われる。サーボ情報とはこの制御のために必要となる情報のことである。ハードディスクが誕生した当初はこの情報をディスク面に直接記録することなく制御できていたヘッドも、ディスクの高密度化が進んだ現在ではディスク面のサーボ情報のガイドなしではヘッドの制御は困難となった。具体的にはサーボ情報にはディスク中心からその地点まで距離が記されており、この情報を元にヘッドはトラック位置を決定する。サーボ装置を有効に働かせるためには一定の時間に一定のサーボ情報を提供する必要があるため、サーボ情報はディスク中心から放射状に配置される必要がある。しかし単純にサーボ情報を各セクターの間に配置するとサーボ情報を一定の時間の割合で提供することはできない。そこで考えられたのがサーボ情報をセクターとは独立して配置するというもので、技術的にはセクターのデータ部の分割を可能とするものである。この技術はサーボ情報の配置とセクターの効率の良い配置の両立を可能にした。現在では多くのハードディスクがこの技術を採用している。

サーボ情報配置
図 2: サーボ情報配置