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ネットワークトポロジー

初版: 2005-04-11

ネットワークトポロジー

ネットワークの形態を表す概念としてネットワークトポロジー (Network Topology) というものがあります (*1)。トポロジーとは位相幾何学を指し、簡単に言えば空間の繋がり方を研究する学問です。つまりネットワークトポロジーとはネットワークの繋がり方を示しています。ノード (*2) が 2 つしかない場合その繋がり方は当然 1 通りしかありませんが、ノードが複数存在する場合その繋がり方は何通りにもなります。実際のネットワークではその繋がり方は全て有用というわけではなく、何通りかのパターンに集約されます。

メッシュトポロジー

ノードが複数存在するネットワークにおいて最も理想的なものは全てのノード間を接続するものです。この形態をメッシュトポロジー (Mesh Topology) といいます。メッシュトポロジーでは、あるノードから他の全てのノードに対して直接通信することができるため、最短距離で相手ノードと通信することができます。またあるノードや媒体に障害が起こった場合でも、その被害は最小限に抑えられます。また 1 本の媒体は 2 つのノードのみに共有されるため、信号が衝突を起こす可能性も最小限となります (*3)。この様にメッシュトポロジーは非常に理想的であるといえますが、ノードの総数が増えるほどその間の接続も大きく増え、その設備面での投資が非常に大きくなってしまいます。結果、現実的にみてメッシュトポロジーのみでの巨大なネットワークの構築は不可能です。ネットワークが普及するためにはこの設備面での優位が大きな鍵となります。このためメッシュトポロジー以外のトポロジーではその性能を犠牲にしてそれを実現しています。

メッシュトポロジー
図 1: メッシュトポロジー

バストポロジー

複数のノードを 1 つの媒体で接続する形態をバストポロジー (Bus Topology) といいます。一般的には 1 本のバックボーンを用意し各ノードをバックボーンに接続する形をとることからこのように呼ばれます。バストポロジーでは 1 つの媒体を複数ノードで共有するため、あるノードが送信した信号は全てのノードに到達します。これはネットワーク全体で見ると無駄な信号が多く発生すること、ネットワークの局所的な通信が不可能であることを意味します。また複数のノードが 1 本の媒体を共有するため、ノードの総数が増えるほど衝突の可能性は大きく増え、パフォーマンスが大きく落ちることは避けられません。そしてあるノードに障害が起きた場合は被害は最小限に抑えられますが、媒体に障害が起きた場合、その被害はネットワーク全体に及んでしまいます。このトポロジーを前提に設計されたプロトコルとして初期の IEEE 802.3/Ethernet が存在します。

バストポロジー
図 2: バストポロジー

リングトポロジー

複数のノードを環状に接続する形態をリングトポロジー (Ring Topology) といいます。バストポロジーがノードを並列に接続しているのに対してリングトポロジーはノードを直列に接続しているといえます。あるノードが送信した信号は環状に接続されるノードを中継していき、目的のノードへ到達します。環状のネットワーク上にノードを直列に接続した利点として、信号の流れる方向を一方向にできる点があります。信号は一方向の流れで全てのノードを経由することができます。この結果、媒体上で信号の衝突は起こらなくなります (*4)。しかしノードや媒体に障害が起こった場合、被害がネットワーク全体に及ぶ欠点があります。このトポロジーを前提に設計されたプロトコルとして IEEE 802.5 (Token Ring) が存在します。

リングトポロジー
図 3: リングトポロジー

スタートポロジー

複数のノードを 1 つの伝送制御を行う集線ノードに接続する形態をスタートポロジー (Star Topology) といいます。最大の特徴であるのは集線ノードの存在であり、各ノード間の通信は必ずこの集線ノードを中継し行われます。集線ノードにより全ての信号の伝送を制御できる点において他のトポロジーより優位といえます。例えば集線ノードでの伝送経路の選択によりトラフィックの局所化が可能となります。また 1 本の媒体は 2 つのノードのみに共有されるため、信号が衝突を起こす可能性も最小限となります。しかし集線ノードに障害が起きた場合、その被害はネットワーク全体に及びます。スタートポロジーを多段接続することにより、他のトポロジーに比べネットワークの拡張が容易であるため、現在最も普及しているトポロジーです。このトポロジーを前提に設計されたプロトコルとして近年の IEEE 802.3 が存在します。

スタートポロジー
図 4: スタートポロジー

複合されたトポロジー

インターネットに代表されるような現実のネットワークは 1 つのトポロジーにより形成されているわけではありません。このようなネットワークは局所的にはある特定のトポロジーですが、全体では複数のトポロジーが組み合わされることにより形成されています。

複合されたトポロジー
図 5: 複合されたトポロジー